「印刷工場みやもと鹿沼工場」のFacebookで掲載していた「印刷ができるまで」をまとめたページです。印刷についてや印刷に関わる機械のことなど、わかりやすく解説しています。
網点とベタ/刷版室/版胴とブラン胴/平版オフセット印刷理論/ドライヤー
クーリング/排紙部/排紙部の折機部/シーター/コントロールボックス
その㉑「版見当」
その⑳でも書きましたが、表4色裏4色の平版の位置がピッタリ合った状態で印刷されなければなりません。そのためにそれぞれの平版の位置を調整する必要があります。
折込みチラシを見てみると、側面や端に写真1枚目のような各色の点がついていることがあります。この「ダイヤ」と呼ばれる点を写真2枚目のクーリング部に取り付けてあるカメラでスキャニングし、かつこのダイヤの位置が常に正しくあるよう写真3枚目右側の自動見当制御装置で調整し続けることによって、平版の位置がピッタリ合った状態を維持したままでの高速印刷が可能となります。
自動見当制御装置による位置調整で各版大体0.03㎜以内と普通に見た感じでは分からないレベルで合ってきます。が、ここでオペレーターが印刷物の見当ズレをルーペで確認しながら、手動で微調整、より完璧な製品にしていきます。
その㉒「スタバン」
スタバンとは「スタッカーバンドラー」の略です。印刷物を積み重ねて(stack)、束にする(bundle)機械です。
排紙部から印刷物たちがエアーとバイブレータで縦横を揃えられながらベルトで運ばれてきます。そして「小束スタック」と呼ばれる所に一旦積み重ねられ、設定した数に達するとエレベータとターンテーブルを通って「大束スタック」に移動。大束スタックが設定した段数に達したところでバンドラー部に搬送されます。ここで当て紙をされつつ結束、めでたく商品として出荷できる状態となります。
それにしてもこのスタバンを作っているのは、あの下着メーカーのグンゼ株式会社!中の人も初めて見たときは「あのグンゼ!?」とびっくりしたものです。
というわけで、これにてオフセット輪転機の紹介、全て完了となります!
その㉓「断裁」
出来上がった印刷物には後加工が施されることがあります。鹿沼工場では印刷物の後加工も行っています。今回はそのひとつ「断裁」について。紙を指定に合わせて切る、という加工です。
永井機械製作所さんの断裁機による四方断ち動画です。事前にどこをどの順番で断つかを機械に記憶させてからの作業です。余裕を持って600枚程度で行っていますが、基本1000枚束がスパスパ切れます。今回は白紙での断裁ですが、普段は「トンボ」と呼ばれる目印に沿って指定された寸法に断裁します。これを「化粧断ち」といいます。これにより普通の印刷物の四方にある白い余白(白フチ・白場)を取り除いたり、特殊なサイズで仕上げたりすることができます。
なお、断裁は断裁刃から離れたところにある2つのボタンを両手を使って押さないとできない仕組みになっているので、作業者が手を切ってしまったりする心配はありません。
その㉔「折り加工」
印刷物を用途に応じ様々な折り加工を施すことでただのチラシとはひと味もふた味も違ったものになります。
鹿沼工場にはHorizon社製のフォルダー(紙折機)のAF-566T4Fとフィーダ(給紙機)のRFU-54が備わっています。
この折り加工機は輪転機の折機部の折り出し側で採用されているナイフ折りではなく「バックル折り(羽根折りとも)」という方式を採用しています。6枚羽と4枚羽の二か所のバックルを駆使して、2つ折り、4つ折り、DM折り、巻き3つ折りetcetc…様々な折り加工を行うことができます(詳しくはお問い合わせ下さい)。