「印刷工場みやもと鹿沼工場」のFacebookで掲載していた「印刷ができるまで」をまとめたページです。印刷についてや印刷に関わる機械のことなど、わかりやすく解説しています。
網点とベタ/刷版室/版胴とブラン胴/平版オフセット印刷理論/ドライヤー
クーリング/排紙部/排紙部の折機部/シーター/コントロールボックス
その①「巻き取り紙」
オフセット輪転印刷とその下準備や後加工がどのように行われていくかを鹿沼オフ輪工場の内部紹介も兼ねて迫って行きたいと思います。皆様おつきあいの程よろしくお願いしますm(_ _)m
記念すべき第一回はまずこれがなくちゃ始まらない、「巻き取り紙」です。
どなたか「トイレットペーパーのお化け」と例えていましたが、オフセット輪転印刷はペースターにこの”巻き取り紙”をセットすることから始まります。巻き取り紙を輪転機で回転させて紙を流しながらどんどん印刷していくわけです。
この巻き取り紙の大きさを知ってもらうべく、私(身長171㎝)が隣に立ってみると、腰以上の高さにまで巻き取られています。ちなみに重さは300㎏以上!!(紙質等により前後します) これ1本でB3チラシ2万枚前後を印刷することができます。
〈2016,4,26 投稿記事〉
その②「ペースター」
ペースターは巻き取り紙を回転させ高速印刷状態を維持しつつ巻き取り紙同士を繋ぐ装置です。せっかくなのでその瞬間をお見せせねば!ということで動画を用意しました。3分弱くらいです。
新しい巻き取り紙についている黒いものは両面テープです。新しい巻き取り紙の先に貼った両面テープの部分に古い巻き取り紙をくっつけ(ペースト)て、その瞬間古い巻き取り紙をカットして切り離す、という作業が行われます。そして両面テープで貼られた部分(つなぎ目)は一瞬のうちにインフィードを通過していきます。これ間近で見ると結構な迫力だったりします。
〈2016,5,9 投稿記事〉
その③「インフィード」
その②の動画の最後にもちょろっと出てきたインフィード、名前を聞いても「?」だと思います。
「送り込む」という意味を持つこの部分は、ペースターから流れてきた紙を19本ものローラーと内部にある「ウェブガイド」と呼ばれる機械、そして後に触れる「クーリング」との連携により、印刷部に紙が入る際のスピードや張り、位置を逐一調節して一定に保ってくれます。これがないと印刷が上下左右にブレたり紙にシワが寄ってしまったり最悪紙が切れてしまったり…オフセット輪転印刷には欠かせないありがた~い装置です。
〈2016,5,17 投稿記事〉
印刷ができるまで その③のおまけ
上記は「インフィード」だったわけですが、お隣にあるミヤコシ機にはここにちょっと…どころじゃない全く違ったものがあります。が、機能はインフィードと全く同じです。
それがこの「ダンサー」。動画は巻き取り紙同士が繋がったときのものです。
まるでね〇~る君のようだネバ~!
ちなみによぉ~く見るとその②で触れた「つなぎ目」が上下しつつ流れていくのが見えます。
〈2016,5,24 投稿記事〉
その④ 「紙質」
その④は機械からちょっと離れて「紙質」のお話です。
鹿沼オフ輪工場ではその紙質から大きく分けて3種類の紙を使用しています(一部例外もありますが)。
紙質の違いを写真でお見せして一目瞭然!と思ったのですが、いざ撮った写真見ても…よく分かんないなこれ…すいません…m(_ _)m
というわけで文章で説明。
まずは「上質紙」。化学パルプのみで製造された「ザ・紙」ともいえるノーマルな紙です。ざらつきがあり、教科書等の書籍やノート・メモ帳・コピー用紙など日常で目にする機会の多い紙でもあります。
次に「コート紙」。上質紙に薬品を塗布しコーティングを施した紙です。チラシに使用する紙としては最もメジャーといえる光沢のある紙です。触るとツルツルしています。表面にざらつきがないためインキの乗りも良いです。
最後は「マットコート紙」。こちらも上質紙にコーティングを施した紙ですが、コート紙に比べて幾分マット(つや消し)でしっとりした質感です。とはいっても上質紙に比べると光沢等はあります。上質紙とコート紙の中間に位置する紙です。
簡単に説明しましたが、どの紙が良い、というのはありません。広告の性質に合わせて選ぶと良いかと思います。
〈2016,6,15 投稿記事〉
その⑤「上胴」と「下胴」
印刷ができるまで、その⑤にして輪転機の核である印刷部に入ります。
今回はそのプロローグということで、ご挨拶代わりに高速印刷時の動画を。各ユニットの「上胴」で裏面を、「下胴」で表面を印刷しています。進むごとに色が重なっていくのが分かるでしょうか。
ここでは説明するところがたくさんあります。「インキ」に「水」に「平版」に「ブランケット」にそもそも「オフセット印刷の理論」がどのようなものかとか…。私もどう話を進めようか頭を悩ませております(汗)
次回はそのたくさんある説明箇所からまずインキをチョイス。
〈2016,6,21 投稿記事〉